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扁桃腺炎(扁桃炎) 逆流性食道炎(胸やけ)
機能性ディスペプシア(FD) |
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扁桃腺炎(扁桃炎) |
扁桃腺という病気をご存知でしょうか?のどの両側にある扁桃腺という組織に細菌等が付着、炎症を起こして、激しいのどの痛み、高熱(38−40℃)、頚部リンパ節の腫れと圧痛、高熱による全身痛、関節痛、悪寒といった症状が出現する病気です。
風邪との大きな違いは、鼻水、咳、痰といった風邪特有の症状がないことです。
治療はほとんど細菌が原因であるため、抗生物質が中心となります。
程度により、飲み薬の抗生物質で治療する場合と、点滴と飲み薬の抗生物質を併用する場合がありますが、速効性を考えれば、点滴を併用することをお勧めいたします。使用した抗生物質が原因となっている細菌に感受性(効くということ)があれば、1〜2回の点滴でかなり改善し、発熱しなくなります。
ただ効果がない事もありますので、初診の時に扁桃腺を綿棒でぬぐい、検査に出して細菌の種類を検索しておきます。結果は3〜4日かかりますが、万一最初の抗生物質が効果なければ、結果が出た時点でぴったりと合った抗生物質に変更することが出来ます。
1年に何度も繰り返す方には、扁桃腺摘出術をお勧めいたしますが、1週間程の入院が必要となります。(耳鼻咽喉科にて)
時にウィルスが原因のこともあり、抗生剤が全く効果ない場合、採血などで原因を検索することもあります。 |
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逆流性食道炎(胸やけ) |
胃液が食道に逆流して食道を荒らし、胸やけ、げっぷ、みぞおちや胸の痛み、すっぱい液体が上がってくる感じ、時には咳などの症状を起こす病気です。
食道と胃の継ぎ目には逆流防止機能がありますが、食道裂孔ヘルニア等の病気や、加齢 肥満 妊娠 胃腸の動きの悪さなどが原因となります。
特効薬(胃酸分泌を抑える薬や消化管運動機能改善薬)がありますので、症状を抑えることは比較的容易です。しかし、根本的に完治はしにくく、日常生活での注意を守ることが重要です。
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注意点 |
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@食事内容: |
暴飲暴食、脂肪食、甘いものを控える。胃酸分泌を促進する柑きつ類やコーヒー、紅茶はとくに空腹時には摂らない。刺激物やチョコレート、アルコール、タバコは逆流防止機能を低下させるので控える。 |
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A日常生活動作: |
前かがみの姿勢、排便時のいきみ、重い物を持つ、ベルトやガードル、帯で強く締めるなどの腹圧を上昇させる姿勢、行動は胃液の逆流を招くため避ける。 |
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Bその他: |
寝る前の食事は避け、夕食は量を少な目にする。食後はすぐ横にならない。胃液の逆流を防ぐため、胸の中ほどから上を持ち上げる様にして寝る。(図)左側を下にして寝る。 |
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機能性ディスペプシア(FD) |
癌でも潰瘍でもなく、胃食道逆流症(逆流性食道炎を含む)でもない。器質的な病気が除外されたのに胃痛、胃もたれなどの上腹部症状を呈する病気を機能性ディスペプシアと言い、最近増加している様に思われます。この病気の原因は、胃の排出能遅延、貯蓄能異常、知覚過敏、酸の分泌異常などが考えられており、患者さんの訴えも様々です。
はっきりと原因が解明されていないのが現状ですが、治療法はある程度確立されています。プロトンポンプインヒビター(商品名、タケプロン、オメプラール、パリエット、タケキャブ等)やH2ブロッカー(商品名、ガスター、アシノン、ザンタック等)のように胃酸を抑える力を持つ薬や、消化管運動機能改善薬(商品名、ガスモチン、セレキノン、ガナトン等)が効果的です。他にこの病気しか適応症となっていないアコファイド(胃の運動を活発化する薬)も発売されています。これらが効かない場合は、知覚過敏を疑い、抗不安薬や抗うつ薬が使われます。とくに胃腸の機能促進に抗うつ作用を併せ持つスルピリド(商品名、ドグマチール)がよく使われています。 |
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