癌でも潰瘍でもなく、胃食道逆流症(逆流性食道炎を含む)でもない。器質的な病気が除外されたのに胃痛、胃もたれなどの上腹部症状を呈する病気を機能性ディスペプシアと言い、最近増加している様に思われます。この病気の原因は、胃の排出能遅延、貯蓄能異常、知覚過敏、酸の分泌異常などが考えられており、患者さんの訴えも様々です。
はっきりと原因が解明されていないのが現状ですが、治療法はある程度確立されています。プロトンポンプインヒビター(商品名、タケプロン、オメプラール、パリエット、タケキャブ等)やH2ブロッカー(商品名、ガスター、アシノン、ザンタック等)のように胃酸を抑える力を持つ薬や、消化管運動機能改善薬(商品名、ガスモチン、セレキノン、ガナトン等)が効果的です。他にこの病気しか適応症となっていないアコファイド(胃の運動を活発化する薬)も発売されています。これらが効かない場合は、知覚過敏を疑い、抗不安薬や抗うつ薬が使われます。とくに胃腸の機能促進に抗うつ作用を併せ持つスルピリド(商品名、ドグマチール)がよく使われています。
内科・消化器科